閉塞性動脈硬化症とは

何らかの原因により、「末梢動脈が狭窄・閉塞したために四肢末梢に循環障害(虚血)を来した病態」を総称して「末梢動脈閉塞症」(peripheral arterial disease;PAD)といいます。その中で最も頻度の高い「閉塞性動脈硬化症」(ASO)は、動脈硬化に由来した、慢性的な四肢末梢動脈の狭窄・閉塞による循環障害症状(冷感、しびれ感、下肢疼痛、壊疽など)を来した病態をいいます。

表 閉塞性動脈硬化症(ASO)
定義

ASOは、動脈硬化(粥状硬化)により主にコレステロールが動脈壁内膜に沈着し、動脈の内腔が狭くなり循環障害を来した病態です。
動脈硬化は、脳・頸動脈、冠動脈などの全身の動脈に生じ、それらの臓器の循環障害も併せて生じることが多いことから、ASOを「全身の動脈硬化病変の一部分症」としてとらえることができます。動脈硬化には、比較的太い動脈に生じる粥状硬化、小動脈での中膜硬化および細動脈での細動脈硬化がありますが、 ASOでは粥状硬化が重要になります。

リスクファクター

ASOのリスクファクターには、「60歳以上」、「男性」、「喫煙習慣」、「虚血性心疾患の既往」、「脳血管障害の既往」、「ストレス」また、「糖尿病」、「高血圧」、「高脂血症」、「肥満」などの生活習慣病が挙げられます(図1)。

図1:ASOのリスクファクター

潜在患者を見逃さないためには、これらの「ASOのリスクファクター」を念頭においた効果的な問診が重要です。

症状・分類

日常診療において、ASOの症状分類であるFontaine分類(図2)がよく用いられます。 ASOにおいては、「循環障害の重症度」とも関連して、治療選択にも応用できて有用です。

図2:Fontaine分類

脊柱管狭窄症(spinal canal stenosis;SCS)と好発年齢が重なるため、鑑別診断が重要となります。